
ウェルビーイングビジネスラボ
ウェルビーイングとは

はじめに
ウェルビーイング(well-being)は、近年注目されている概念で、人生の質や幸福度を表す言葉です。この概念を提唱したのは、アメリカの心理学者マーティン・セリグマン博士です。セリグマン博士は、2000年代初頭に「ポジティブ心理学」を確立し、人々の幸福と強みに焦点を当てた研究を進めました。
単なる健康や富だけでなく、心理的・社会的な充実度を含む、包括的な意味での「良い状態」を指します。日本語に翻訳すると「心地 良い状態」「幸福」とされることが多いです。

【PERMA理論】ウェルビーイングの要素
マーティン・セリグマ博士はPERMA理論を提唱。ウェルビーイングには以下の5つの要素から成り立っていると述べられています。
01
ポジティブな感情
喜び、幸せ、満足感などのポジティブな感情を感じること。
02
没頭
好きなことに夢中になり、フローの状態を経験すること。
03
人間関係
家族や友人など、周囲の人々との良好な関係を築くこと。
04
意味
自分の人生に意義や目的を感じ、より大きな何かの一部であると感じること。
05
達成
目標に向かって努力し、成し遂げたという感覚を得ること。
これらの要素のバランスが取れている状態が、高いウェルビーイングだと言えます。
ウェルビーイングを高めるには
ウェルビーイングを高めるためには、以下のようなことが大切です。
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自分の強みを活かし、好きなことに打ち込む
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感謝の気持ちを持ち、ポジティブな面に目を向ける
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人との繋がりを大切にし、良好な関係を築く
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自分の価値観に基づいた目標を設定し、意欲的に取り組む
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心身の健康に気を配り、ストレス管理を行う
また、ウェルビーイングは一人一人異なるため、自分に合ったアプローチを見つけることが重要です。
企業は従業員にどうやって、ウェルビーイングを高めるような促しを出来るのでしょう。
ウェルビーイングの歴史的背景とビジネスへの展開
ウェルビーイングという概念が注目を集めるようになった背景には、物質的な豊かさだけでは測れない人生の質への関心の高まりがあります。20世紀後半以降、先進国を中心に経済的な成長と安定が進む一方で、ストレスや心の病の増加といった問題が浮上してきました。
このような状況を受け、GDP等の経済指標だけでなく、個人の幸福度や生活の質を重視する動きが世界的に広がっています。
ウェルビーイングの概念は、ビジネスの世界にも大きな影響を与えつつあります。従業員のウェルビーイングを向上させることが、生産性や創造性の向上につながるとの認識が広まり、多くの企業が職場環境の改善に取り組んでいます。また、個人のウェルビーイングを重視する価値観の変化は、ヘルスケア、教育、観光など様々な分野で新たなビジネスチャンスを生み出しています。
企業がウェルビーイングをビジネスに活かすためには、以下のような取り組みが考えられます。
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従業員のウェルビーイング向上施策の実施(メンタルヘルスケア、ワークライフバランスの推進等)
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ウェルビーイングに関連する商品・サービスの開発(健康管理アプリ、マインドフルネス瞑想プログラム等)
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ウェルビーイング関連データの活用(行動データ分析に基づくパーソナライズされた商品・サービスの提供等)
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ステークホルダーとの協働(自治体、大学、NPO等とのウェルビーイング向上に向けた共同プロジェクト等)
今後、ウェルビーイングの考え方は社会に更に浸透し、個人と組織の双方にとって重要なテーマとなっていくでしょう。ビジネスの世界においても、ウェルビーイングを切り口とした新たな価値創造が加速することが期待されます。
まとめ
ウェルビーイングは、人生の充実度を表す重要な指標です。自分らしく生き、人生の様々な側面のバランスを取ることで、より高いウェルビーイングを目指していきましょう。社会全体でウェルビーイングの向上に取り組むことで、一人一人が輝ける世界を創っていくことができるでしょう。